なぜ、休ませたほうがいいのか

不登校のこと

「不登校のはじまり」は、
心のエネルギーが尽きたサイン。

だからこそ、
今は「休むこと」が
いちばんの回復です。

「どうにかしなきゃ」が子どもを苦しめる

「今日は、学校行きたくない」

その言葉を聞いた朝、
心臓がドキッとした。
熱はない。体調も悪くない。
でも顔を見ると、明らかに元気がない。

「どうしたの?」って聞いても、
「わかんない」って小さくつぶやくだけ。

その瞬間、
頭の中でいろんな声が響いた。

「このまま休ませていいの?」
「また明日も言われたらどうしよう」
「ここで甘やかしたら、
ずっと行けなくなるかも」

あのときの私は、
とにかく
“どうにかしなきゃ”って思ってた。

でも今ならわかる。

あの“どうにかしなきゃ”こそが、
子どもを一番、
苦しめてしまっているってことに。

子どもの「エネルギー切れ」は突然やってくる

不登校の始まりって、
親からすれば
突然に感じるかもしれません。

実はその前から
少しずつ、少しずつ
疲れがたまっていることが多いです。

毎日、小さな我慢を積み重ねて、
「頑張る」が当たり前になって。


ある朝、ふっと糸が切れる。

「エネルギー切れ」
車で言えば、
もうガソリンが空っぽの状態。
エンジンをかけようとしても動かない。

そんなときに「早く動け」と言われても、
動けるはずがないんですよね。

焦りは“守りたい気持ち”の裏返し

それでも親としては、
「このままではダメだ」
って不安になります。

だけど、焦って動かそうとすると、
子どもの心は
“また無理をしなきゃ”と感じて、
さらにエネルギーを消耗してしまう。

そして、「もうしんどい
とサインを出しているのに、
親に理解してもらえない。


「言っても意味がない」
信頼関係が揺らぎます

そして、
孤独感をより深めてしまうのです。

だからこそ、
まず休むこと」が一番の回復の第一歩

回復のカギは安心できる場所」にある

私の実体験から言えることは、
「人は安心できる場所でしか
回復しない」ということ。

学校に行けなくなった子どもにとって、
家が“安心の場所”であることは、
ものすごく大事です。

でも、親が焦ってピリピリしていると、
家の中も
安心できない場所になってしまう。

だから、
「いろいろ配慮してみたけど、
無理だった。
頑張ることに、もう疲れた



そのときは、
「とことん休む」「何もしない」
ことを、どうか許してあげてほしい

ごはんを食べて、
寝て、好きなことをして。

外から見たら
“ダラダラしてる”ように見えても、
心の中ではちゃんと
回復が始まっています。

「何もしてない時間」にこそ、
脳と心が静かに整っていく。

これは“安定モード”へ戻るための
エネルギーチャージ時間。

人が何かを「やろう」と思えるのは、
心が安全で、余裕があるときだけ。
そのためには、
まず安心と休息が必要なんです。

「何もしない勇気」が親に必要なとき

じゃあ、
「親はその間どうすればいいの?」
って思うかもしれませんね。

私も最初は、
「何かしてあげなきゃ」
と思っていました。

でも、実は“何もしない勇気”こそが、
いちばん大切だったりする。

朝、「おはよう」
夜、「おやすみ」

それだけでも、
子どもには十分伝わります。

「今日も好きに休息したらいいんだよ」
っていう空気をつくるだけでいい。

心理学では、
安全基地”という言葉があるそうです。

親が穏やかでいることが、
子どもにとっての安全基地になる。

「休む」は止まることじゃない。生き直す時間

子どもがまた動きたくなる日が来る。
でもそれは、押されたからじゃなくて、
“休めたから”動けるようになる。


焦る気持ちは悪いことじゃない。

でも、その焦りを
子どもにぶつける」のは違うと思います。
その気持ちに気づけるだけでも、
子どもの心は、少し軽くなる。

ある日、子どもが突然
「ママ、今日、お出かけしたいかも」
「でも……
知ってる人に会うのは怖いんだよね」

その一言で、涙が出そうになった。
無理に何かをさせなくても、
子どもはちゃんと
自分のタイミングで動き出す

そこに、「楽しみ」をプラスできたら、
さらに動き出しやすくなる。

休むって、止まることじゃない。
“生き直す時間”なんだと思う。

「休むこと」は、
もう一度立ち上がるための準備

家で過ごす日々は、
焦らず比べず見守り穏やかに過ごす時間。

「なんで休ませたほうがいいのか?」
 

それは、休むことで、
“もう一度立ち上がる力”が育つから

そして、親がそれを見守ることで、
“信頼”が静かに積み重なっていくから。

焦る朝も、泣いた夜も、
すべてが「回復の途中」だから大丈夫。

あなたの子も、
きっともう一度笑顔を取り戻す

そのための第一歩が、“今、休むこと”
親の不安は、グッと抑えて、
子どもの回復を待つのが最優先です。

「何もしていないようで、
ちゃんと進んでる」

『休む、立ち止まる』って、
勇気がいることですよね。
でも、ちゃんと意味があります。

休む時間は、
心の中で“再生”が始まる時間。

親も子も、
焦らず深呼吸していきましょう。

「何もしていないよう見えるだけで、
 ちゃんと進んでる」

そう思えたら、
今日の空気は少しやわらかく感じますよ。

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